俳優は乳飲み子のように、何でもはじめから学ばないといけない。
- 2014/10/11
- 00:24
10月8日(水)、江之子島文化芸術創造センターで、[ベーシック・クラス]第2期生の「演技表現」の授業がありました。
講師は、私、ドラマティーチャーの八木延佳 です。
まずは、「上達するための態度」のプリントを配布して上達のコツを話しました。
上達するためには“マジックワード”があります。それを授業の始まる前、最中、終わってから口に出して言いましょう!
そして、「スタニスラフスキーの演劇観」のプリントも配布して、〈表示の芸術〉〈体験の芸術〉〈職人芸〉の違いを知ってもらいました。
これらに絡めて、世界的な演出家ピーター・ブルックの映画『世界一受けたいお稽古』(Peter Brook:The Tightrope)に出てくる「ブルック語録」を、これから映画を鑑賞する人のための手引きとして配布しました。
ウォーミングアップとして、「発霊法」「レイキ廻し」をしました。
これらは、三浦先生の「ヘルスケア」の気功に近いと思います。
続いて、「地平線を触りに行く」で、本気の本気で触りに行きます。
イメージが大きく変われば身体も大きく変化して、呼吸も変わります。
縮こまった体と心を地球規模まで開放しましょう!
エクササイズとして、「テニスボール廻し」をしました。
円になってテニスボールをパスしていくのですが、このボールを台詞・相手の思い・自分の気など具体的にイメージして、コミュニケーションをしていきます。
これも、渡し合うものが具体的であればあるほど、また渡す目的がはっきりしていればいるだけ、体に無駄な動きがなくなりスムーズにボールが回ります。
そして、相手の気を受けて、自分の気が先に放射されて、それにつられて後からボールが手から離れると、全員に一体感が出て、音もなしにボールが回り、あたかも気のリングでつながったようになります。
次のエクササイズは「ボールを受けてフリーズ」です。(写真)
I (イー)・RAS(ラス)・DVA(ドバ) を覚えます。
Iは「準備」、RASは「行動」、DVAは「間」です。
私たちの行動はこの3つのパートに分かれています。
一つの行動が終われば、また別の行動が繰り返されます。
この流れを“意識的”に覚えるレッスンです。
「演技とは行動」(Acting=Doing)を理解するための初歩レッスンです。
最後はレクチャーです。
近代劇の基本的な考え方を説明しました。
5W1H、一貫した行動(貫通行動)、主人公、動機、目的、障害、葛藤、達成(不達成)などをキーワードに、台本を読む際のシンプルな法則を知ってもらいました。
これを知っているだけで、演技や演出は「演劇的」になること間違いなしです!
宿題として、日常生活の中から劇的なモノ(葛藤)を見つけて発表する課題を出しました。
一見、何もなく、退屈そうな日常ですが、そんな中に潜んでいる「ドラマ」を見つける〈センサー〉を持つことが俳優には必要ですね。
(教務主任)